超ベテランミュージシャンのアル・クーパーが、30年ぶりとなるソロ・アルバムをリリースしています。還暦を超えている彼がミュージック・マガジンの最新号でインタビューに答えていますが、そこで最近の音楽配信についても語っています。
−−(新曲の)<ゴーイング・ゴーイング・ゴーン>で、あなたは古いR&Bが好きで、ヒップホップは好きじゃないと歌っています。
「僕らに向けられた音楽じゃなく、若い連中に向けられた音楽だからね。でも、僕が好きな新しい音楽もたくさん作られているよ。ただし、それらはラジオでは聴けないんだ。僕はiTunesから購入している」
−−毎週新譜をiTunesのストアから買っているんですね。あなたもほとんどは曲単位で買っているようですが、曲単位のダウンロード購入が音楽の聴き方を変えてしまったとも言われます。あなたは60〜70年代にコンセプト・アルバムという概念を作り出した世代のアーティストです。その変化をどう感じていますか。
「僕がミュージシャン、プロデューサーであるだけだったら、いらだつだろう。でも、僕は消費者でもある。消費者としては大満足だよ。アーティストとしてはあまりうれしくないね。でも、消費者はずっと長い間自由を持っていなかった。アーティストの方が持っていた。消費者に自由を与えるという事実は僕を満足させてくれる。もし6曲しか好きな曲がないのなら、どうして僕のアルバムを買わなくちゃいけない?8曲好きな曲があるのなら、その分を払って8曲持っていって、幸せになってもらえばいい。僕も嬉しいよ。だって、彼らは僕の曲の中から本当に欲しい曲を手に入れたんだから。ずっとましなコンセプトだよ」
−−誰かがこのアルバムから3曲しか買わなくても満足なんですね。
「1曲も買ってくれないよりも、ずっと良いじゃないか。iTunesでの販売が始まるのが待ちきれないよ」
なかなか柔軟な考えの人だなと思います。
しかし、彼のニュー・アルバムを iTunes Music Store Japan で購入することは残念ながらできません。日本における発売元がソニーだからです。何てこった。
輸入盤でどうぞ↓
Black Coffee
Al Kooper
by G-Tools