2006年12月28日

オリコンの使い方使われ方

ジャーナリストへの訴訟提起をきっかけに、「オリコンチャート」がよく話題に上っています。訴訟の理由にもなっている「オリコンチャートは操作できるのか」という点については、私はあまり興味がありません。レコード店によく足を運ぶ人なら、(自分のためとか友達に頼まれたなどの理由では)説明のつかない枚数を一人でまとめ買いしている場面に出くわしたことが少なからずあるでしょうし(私もあります)、いろいろ証言もあるようです。

そんなわけでこの問題については、エピックレコード創設者でもある丸山茂雄氏の

私はオリコンの存在を「チャートを使って音楽業界を盛り上げている会社」とシンプルに考えています。そのチャートをめぐって「正しい」とか「おかしい」とか色々な話が飛び交うことで業界の「盛り上げ」に役に立っています。「盛り上がる」ことが大事なのでチャートが厳密に「正しいこと」を私は必要としていません。(略)
「オリコンチャートはオリコンが決めている」でどこが悪いのですか?(略)オリコンに私が期待するのは、こんなこと(チャート作成の公正さ・引用者注)ではなくて、業界を「盛り上げる」ことなのです
( 丸山茂雄の音楽予報 - 歌舞伎・プロレス論 )

という発言に同意したいと思います。

丸山氏はプロレスにも言及してられますが、音楽ギョーカイにおけるオリコンはちょうどプロレスで言うとレフェリーのような存在ですね。そして、プロレスのレフェリーに求められるものが「公正さ」でないことは言うまでもありません。

素晴しいレスラーが繰り広げる試合をいかに演出し、盛り上げるか。レフェリーは毅然と試合を仕切ることも必要ですが、時には会場で一人だけ凶器の存在に気がつかなかったり、カウントを取るスピードが妙に違ったり、ラリアットを食らって場外で失神したりすることすら求められます。(もちろん、会場全体が大満足するという結果が出なければいけませんが)

それを、「いや俺は昔から公正なレフェリングをしてきたんだ」と主張されても、ちょっと白けてしまうのです。


参考リンク(必読)
音楽配信メモ オリコンが自分たちに都合の悪い記事を書いたジャーナリストを潰すべく高額訴訟を起こす
オリコン訴訟問題について音楽業界関係者に取材しました
オリコン訴訟問題の現状の詳細なまとめ
(この問題のキモは「企業による個人の言論封じ込め」にあるのですが、この記事ではあえて触れていません)

(次の記事に続く)

posted by gyogyo6 at 22:20 | Comment(1) | TrackBack(1) | 音楽の周辺 | 更新情報をチェックする

2006年12月27日

JB を切り刻む

ジェームス・ブラウンが亡くなりました。物凄い生命力を発散する人だったので、たとえ殺されても死なないような気がしていたのですが…。世界中で彼を追悼する記事をたくさん読むことが出来ます。

私のiPodに入っている JB の曲を探しますと、ジョン・オズワルドのアルバム "Plunderphonic" に収録されている "Black" と "Brown" がありました。とは言うものの、この曲は JB の曲の数多くの断片を元ネタに、オズワルドがサンプリングだけで別の曲(?)に仕立てたもの。JBネタ以外の曲も、この手法で作られています。
しかし、当然ながらこのアルバムは著作権的に大いに問題があり、サンプリングされたマイケル・ジャクソンらに訴えられて販売差し止め・廃盤となったばかりか、レコード会社の倉庫にあった在庫をローラーでベリベリ本当に潰されるという憂き目に遭っています。まるで某国の海賊盤摘発のような扱いです。

そんなわけなので歴史的名盤といってもいいほどのアルバムが闇に葬られたのですが、音源自体はオズワルドのサイト(のリンク先)から今もダウンロードできたりします。
(ダウンロードする際には、諸権利に関する注書きをよくお読み下さい)

Plunderphonic - Album Notes

JBがすごいことになってて、聴く価値ありありです。

posted by gyogyo6 at 14:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | よい音楽(松) | 更新情報をチェックする

2006年12月25日

今年の「おくやみ」

自分のはてなブックマーク「おくやみ」タグより。

  • 1月 ナムジュン・パイク(美術家)
  • 2月 都留重人(経済学者)
  • 3月 宮川泰(作曲家)
  • 3月 Hotwired(サイト・更新停止)
  • 4月 小池民男(新聞記者)
  • 5月 人形のモリシゲ(会社・倒産)
  • 5月 ハムザ・エルディーン(音楽家)
  • 5月 今村昌平(映画監督)
  • 6月 2ちゃんねるベストヒット(サイト・更新終了)
  • 6月 岩城宏之(指揮者)
  • 6月 ジョルジュ・リゲティ(作曲家)
  • 7月 シド・バレット(音楽家)
  • 8月 山村修(書評家「狐」)
  • 9月 丹波哲郎(俳優)
  • 10月 米沢嘉博(コミケ代表)
  • 11月 宇井純(科学者)
  • 11月 灰谷健次郎(作家)
  • 12月 青島幸男(えーと…放送作家?)
  • 12月 岸田今日子(女優)
  • 12月 ジェームス・ブラウン(音楽家)

抜けている人が大勢いるかも知れない失礼はご容赦。改めてお悔やみ申し上げます。

posted by gyogyo6 at 19:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2006年12月20日

オリジナルのLPをごみ箱に捨てる若者

そうそう、僕もLPレコードの置き場には困ってたんですよ。あれはCD以上にかさばりますからね。だからカセットテープが出たときは嬉しかったなあ。音楽は音だけがあればいい、ジャケットも歌詞カードもライナーノートも不要というのが僕の持論なんで、カセットテープにダビングしてLPそのものは捨てちゃいましたよ。音質が劣化するって? そんなのラジカセで聴いていたから人間の耳には区別つきませんよ。中古で売らないのかって? 私は著作権者を尊重していますから、中古で誰かが買うとその分新品が売れなくなって、著作権者の収入になりませんからね、自分で買ったレコードは自分で処分するのが一番です。アホかそんな事するわけないだろう。

オリジナルのCDをごみ箱に捨てる若者 - bpspecial ITマネジメント:コラム

(この改変がよろしくないのは、デジタルとアナログの違いを考慮に入れていない事、レコードとカセットテープでは音質が明らかに違う事、カセットテープも数が増えると結構かさばる事などです。ほかにもたくさんありますが、まだまだですね。3点)

posted by gyogyo6 at 23:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | 更新情報をチェックする

2006年12月16日

100曲シリーズに新手参戦!

うひゃあ、これは何ですか。100曲シリーズの新顔。

B000JS77FYのだめカンタービレ ベスト100 (通常盤)
オムニバス(クラシック)
ソニーミュージックエンタテインメント 2007-01-01

by G-Tools
のだめカンタービレ ベスト100 (完全生産限定盤)のだめカンタービレ ベスト100 (完全生産限定盤)
オムニバス(クラシック) ベートーヴェン モーツァルト

by G-Tools

はいはいのだめのだめ。しかしよく見るとこれは「100曲」じゃなくて「100トラック」です。「パガニーニの主題による変奏曲(ブラームス)」だけで全体の3割、30トラックを消費しているのであった。例の「のだめオーケストラ」に演奏してほしかったところではありますが、そんなことをしたら「8枚組4,800円」という値段ではとても出せませんね。売るのは今しかない。や、便乗でもなんでも、景気がよろしいようでなによりです。

posted by gyogyo6 at 00:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | よい音楽(梅) | 更新情報をチェックする

2006年12月13日

ファンタジックな展開

ミュージカル「コーラスライン」で描かれるのは、とある新作ミュージカルのオーディションである。そのオーディションで選ばれるのは、「コーラス」と呼ばれる要員8名。メインキャストの後ろで集団で踊る役であり、セリフはなし、アドリブ厳禁、舞台中央に引かれたライン(コーラスライン)を踏み越えることは許されない。
「キャッツ」で言えば、冒頭あたりでゴキブリだかネズミだかの衣装を付けて(他のキャストはみんな猫なのに!)ダンスを披露している、あれである。しかし、ゴキブリの彼(彼女)らは、ゴキブリダンスだけをしているわけではない。ミュージカルの最初から最後まで、主役から脇役まで全ての役のセリフと振り付けを頭と身体で覚えているのだ。何のためかって? ある日の本番直前に、メインキャストの一人が捻挫をする。「大丈夫、出られます!」と痛みをこらえて訴える役者、しかし演出家は無理だと判断し、その日の休養を命じる。演出家はその場にいたコーラスの面々をなめ回すようににらみ、やがて一人を指さす。「お前、あいつの振り付けは覚えてるか?」「はいっ!」電気が走る。「歌は?」「できます!」「よしちょっとここで今からやってみろ」演出家とキャスト全員が見つめる中、にわかオーディションがはじまる。いつ来るか分からないこの時のために舞台を食い入るように見つめ、夜遅くまで一人で(…いや一人ではない、他のコーラスもどこかで同じことをやっていたに違いない)練習していたのだ。厳しい目で見つめる演出家。「もういい、やめろ!」電気どころか雷に打たれたように立ちつくす。「誰かこいつに衣装を用意してやれ」。「まいったなあ、アンサンブルだけは乱さないで行こうな」「足を引っ張らないでね、頼むわよ」励ましともつかぬ言葉を他のキャストからかけられ、内心ガタガタ震えながら本番の幕が開く。今日でゴキブリともおさらばだ!

というような妄想が、 『ヤジに怒った主演歌手、ミラノ「スカラ座」を途中退場』 というニュースを読んで浮かんだ。スカラ座で代役を務めた歌手は衣装が間に合わずにジーンズを履いて歌ったようだが。(アイーダでジーンズというのも斬新だ)

2回目の公演で主人公アイーダの相手役を務めるフランスの名テノール歌手ロベルト・アラーニャ氏が最初の独唱を終えると、観客席から「恥を知れ」といったヤジが飛び始めた。これに対し、アラーニャ氏はこぶしを振り上げ、舞台袖に姿を消した。その後、すぐに登場した代役の男性は衣装がないため、ジーパン姿で歌ったという。
アラーニャ氏は初日の公演後、地元紙との会見で「スカラ座で演じるのは闘牛場に放り込まれるようなものだ」と、舞台に厳しい注文を付けることで知られるスカラ座の観客を批判していたため、ヤジはこの批判への“返礼”とみられている。
スカラ座は、アラーニャ氏の途中退場について声明で「遺憾」を表明、同氏の降板を決めた。

しかし悲しいかな、この「代役」氏への拍手喝采は 9分間も鳴り止まなかった(cnn.co.jp) そうだが、勇気ある彼の名前が報じられることはないのであった。

「急に捕まえられて、舞台に放り出された。思いがけない試練だったけれど、乗り越えられたようだ」

(追記)
AFP NEWS ほかでは名前出てますね、代役氏。次はどうなるんだろう。
ANTONELLO PALOMBI OFFICIAL WEBSITE

しかしなあ

アラーニャを野次り倒して代役氏には大拍手。しかし、この観客の反応は正当なものだったんだろうか。本当に代役氏はアラーニャを上回るパフォーマンスだったのか、ちょっと気になる。「厳しい評価で知られるスカラ座の観客」というのも、実のところは騒ぎたいだけなんじゃないかという気も。

posted by gyogyo6 at 21:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2006年12月10日

若気の至り?

きょう、何の気なしにお昼にNHKテレビをつけていましたら、「のど自慢」のゲストにイルカが出ていました(もう一人は新沼謙治)。こんなところで見かけるとは思わなかったので、つい見てしまいました。自分がうたった曲が30年前の「なごり雪」だったのは、いささか複雑な気持ちでしたが。

それはそうとイルカさん、お歳はもう50を過ぎてらっしゃるんですが、それでも「イルカ」という名で活動されているのはすごいと思いました。本人も、まさかこの歳になってまでイルカを名乗っているとは、若い頃には考えてなかったんじゃないでしょうか。

もっとも、タカラヅカ出身の女優さんは歳をとっても派手派手な芸名のままで活躍されていますし、プロデューサーとして偉そうに偉くなっても「つんく」はつんくのままですし、「みのもんた」もそうですし、定着してしまえば別に構わないのかもしれません。それを考えれば「カールスモーキー石井」という名前を改名してしまった石井竜也はだらしがないな。
海外の例では、たとえば「スティング」(イルカよりも1歳若いですが)という名前は、当地ではどういう受け止め方をされてるんでしょうか。気になります。


あと私の今の興味は、「そのまんま東」氏がそのまんまの名前で県知事になるかどうかです。「横山ノック府知事」という前例はありますが、名前のインパクトはノックを遥かに上回ってるんで。

posted by gyogyo6 at 22:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | 更新情報をチェックする

2006年12月06日

「若き巨匠」

若き巨匠。最近やたらと使われるのだそうです。気の利いた流行り文句(だけにお前は小さくうなずいた)、ってやつですか。

〈表現の秋〉「若き巨匠」たち 氾濫するフレーズ (asahi.com)

出世魚ではないが、「神童」→「天才」→「若き巨匠」に呼び名が変わるものと思われます。その上はもう「真の巨匠」「大家」などしかない。若いうちから巨匠と呼ばれ、以後の音楽家人生でずっと「巨匠」を続けるのは大変だな。途中で野球選手に転向したいとか考え出さないだろうか。

ジャンル特集 クラシック 若き巨匠たち (MSNミュージック)
「若き巨匠」の方々。一部「そうか?」という人も含まれているが。
ところでかつて「若き巨匠」という言葉をやたらと聞いたのは「料理の鉄人」ででした。「フレンチの若き巨匠」とかゴロゴロいましたよね。

「若き巨匠」でイメージ検索。

posted by gyogyo6 at 22:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | 更新情報をチェックする

2006年12月04日

SNOWMAN(音楽がいいんだ、これは)

レイモンド・ブリッグスの「スノーマン(ゆきだるま)」といえば、クリスマスをテーマにした世界で最も有名な作品のひとつです。1978年に絵本として発表され、1982年にはアニメ化、クリスマスにテレビ放送されました。アニメは原作のタッチをそのまま生かした手書き風の凝った動画(これはすごい)です。絵本、アニメとも台詞が全くないのが特徴で、絵と音楽(アニメ)だけでクリスマス・イブの冒険が描かれます。
クリスマス・イブに降る雪、その雪でスノーマン(ゆきだるま)を作る少年、そしてその夜に起きる思いがけない出来事。「へーイギリスのゆきだるまはリアルな造形なんだな」なんて思いながら見ていると、ラストになって涙が止まらなくなりますのでご用心。

私の子供も4歳になったので、今年のクリスマスにはこのアニメを見せてあげようと思っています。

絵本。昔は「ゆきだるま」って題名じゃなかったかと記憶してますが。

スノーマン スノーマン
レイモンド ブリッグス Raymond Briggs

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アニメDVD。30分ほどの作品です。原作の良さをそのまま生かした、傑作です。音楽も素晴しい。途中で流れる主題歌 "Walking in the Air" もこれまた良い。イギリス制作。

スノーマン スノーマン
ジョン・コーツ デヴィッド・ボウイ ハワード・ブレイク

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そして「スノーマン」には、アニメのサウンドトラックを収録したCDというのも存在します。ナレーション入りと純粋なサウンドトラックの2バージョン収録。これがいいんですよ。

The Snowman The Snowman
Howard Blake

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私は聞いたことありませんが、日本語ナレーション版もあるそうです。小堺一機がやっているそう。

スノーマン〜お話し&サウンドトラック スノーマン〜お話し&サウンドトラック
ビデオ・サントラ 小堺一機 バーナード・クリビンス ピーター・オーティー

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楽譜(ピアノ譜)なんかもあります。

音楽物語 スノーマン(ゆきだるま) 音楽物語 スノーマン(ゆきだるま)
ハワード・ブレイク 染川 美奈子 佐藤 文行

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2006年12月02日

Album of the year (勝手に選ぶ)

いつの間にやら12月だ。というわけで、一年を振り返ってみたくもなるわけですが、今年はちょっと飛び抜けたアルバムがありました。

sensuousSensuous
Cornelius
ワーナーミュージック・ジャパン 2006-10-25

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どうやったらこんなのが作れますかね。今年の一枚というだけでなく、Song of the decade (00年代のベスト)の有力候補に推したいほどの作品。なにより録音が非常にいいので、 iPod のような圧縮音源ではなく、きちんとしたオーディオで聴きたくなる音楽です(と言いつつiPod+安いイヤホンの組み合わせでも聴いていますが)。
一部の店で予約特典についてたCDシングル、私は別に予約してませんでしたがもらえました。収録曲 "sensuous sametime" 最高。(注:リンク先、amazonでは現在ついてないと思われます)
なんだか上の写真のスケールが分かりにくいですが、いちばん下に敷いているのがCDのジャケット、上の2つがおまけのCDシングルです。

生きててよかった。ちなみに私が勝手に選んだ90年代のベストソングは、これ

それでは良いお年を〜。(まだ早い!)

posted by gyogyo6 at 11:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | よい音楽(松) | 更新情報をチェックする