「ミュージック・マガジン」12月号の特集は「帰ってこいよ、歌謡曲」。編集長が編集後記にて挑発しています。
毎月毎月、J-POPなるジャンルで登場する新譜を聞いてますが、底の浅いなぐさめ合いの歌詞と粗末なメロディばかりが連発されるのに、ほとほと飽き飽きしていて、その溜まりに溜まった疑問や鬱憤が、ここで暴発しているわけですよ。昔はこんなケータイ小説みたいな曲は、ひと様に聞かせるもんじゃなかったはずだ、と
…まあそれはともかくとしまして、この特集の中で「特選!歌謡曲名曲」ということで100曲がピックアップされているのです。びっくしりたのですが、私はこれほとんど歌えちゃうんですよね。「歌える」といってもいくつかレベルがありまして、 (1)完全にワンコーラス歌える、 (2)サビの部分なら歌える、 (3)メロディーだけなら鼻歌でいける、などいろいろあると思いますが、このどれでもない「全然知らない」って曲は数えるほどしかありませんでした。選ばれている100曲は1954年の春日八郎「お富さん」から1988年光GENJI「パラダイス銀河」まで幅広く、もちろんリアルタイムで聴いたことのない歌がたくさんあるのにもかかわらず、です。これは何だろうなと思います。演歌系とかそういうジャンルも関係なく、なぜだか知っている。
(ちなみに「お富さん」、私の生まれる前の曲ですが「ワンコーラス歌える」部類に入ります。子供の頃に覚えていたと思います。もっとも、子供なので歌詞はさっぱりわかりません。「イキナクロベエ ミコシノマツニ アダナスガタノアライガミ」はい、ここまで全く意味不明でした。「エーサオー ゲンヤダナー」まるで暗号文のようですが、それでも歌えてしまうのです。なんでもこの詞は有名な歌舞伎の一場面をうたったものだそうですが(参考:歌舞伎のおはなし 玄冶店、粋なクロベエ)、流行歌をうたうにも歌舞伎の知識が必要だ、というか、50年前の日本人は説明なしで通用するほど歌舞伎が身近な娯楽だったんだろうなと思います)
特集では西城秀樹のインタビューもあります。その中で彼は「歌謡曲とは何か」という問いに、こう答えています。
歌謡曲…。NHK、時計みたいな。リズムがあるように、歌があるように、口ずさむ。生活の中に入っている。真剣にマニアックにこれが欲しいというリスナーと、生活の中にある歌を聴くリスナー…たとえばの話、おかあさんが包丁トントンってしながら “やめろっといわれても” って歌う。それはその曲が好きかどうかってことじゃないですよ。そういうもの、というのが一つ。もう一つは、社会現象なんですよ。ミリオンでも社会現象にならないものもあるし、60万枚でも社会現象になるものもある。歌謡曲が、音楽があるからこそ、高度成長が出来たんだっていうのはありますよ。テレビが普及して、家族みんなで見ていた…、生活にも密着していた。それが “時計みたい” ってことです
「やめろっといわれても」は「激しい恋」(1974)の出だしですね。今の「おかぁさん」達は、タマネギ刻むときに何を口ずさんでいるのだろう。そして自分は、仕事の合間にどんな鼻歌うたっているだろう。昔は「ファンでなくても皆知っていた」という歌が確かにありました。
以下、100曲のリストです。なおこの特集で言う「歌謡曲」とは、「ドーナツ盤(7インチEP盤)で発売された曲」に限定されています。それ以前のSP盤、以後のCDシングルの時代は含まれていません。
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posted by gyogyo6 at 23:00
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