2010年06月29日

君が代はユニーク、なんだけど

ワールドカップは、いろんな国の国歌が聴ける貴重な機会です。試合の勝ち負けには関係なく、キックオフ前には対戦する両国の国歌が流れます。これがオリンピックなら、金メダルを取った国の国歌しかかからないため、アメリカや中国やロシアといった特定の国歌ばかり聞かされる羽目になりますが、その点W杯は平等でいいですね。一次リーグで敗退しても、1点も取れなくても3回はかかります。

日本の国歌「君が代」も、今日、アフリカの地で響き渡ることでしょう。日本で聞く人も大勢いるでしょう。願わくはもう何回か聴きたいものです。

ところで君が代のメロディーは、世界の国歌の中でもかなりユニークです。ほとんどの国歌が西洋音楽風、軍楽風なのに、君が代は他の何にも似ていません。明治時代に作曲されたものですが、なんというか雅楽風。そもそも長調か短調かも判然としません。素晴らしい。

でも、なぜ他の国の国歌は、君が代のようなユニークなメロディじゃないのでしょうか。ユニークな、高度に発達した音楽を持つ国や民族は、もちろんたくさんあります。でも、そんな国でも国歌は凡庸。インドもトルコもアフリカ諸国も、ごくフツーです。(中国の「義勇軍行進曲」はちょっと中国風ですが、でもまあ軍楽ですね)

これについて、山下洋輔さんがこんなことを書いてます。

オリンピックで各国国歌を聴いているうちに、以前の自分の主張の間違いに気づいた。日本以外の国歌は大体が西洋軍楽隊の物真似風でオリジナリティがない。その点日本はエライという問題だ。アフリカや中南米やアラブの国の国歌になぜ日本のような強烈な民族テイストのメロディがないのか。それはあるメロディが採用されたとしてもそれに対して必ず「あれは何々族の歌ではないか」という反発が起きるからではないだろうか。何の関係もない西洋風なら、世界に通用して同時に国内には差し障りがない。そういう知恵だったに違いない。
(文字化け日記 08.10)

なるほどです。「「日本は単一民族」という幻想の下に成立しているのか。あのメロディに民族的に不満を覚える人はいないのだろうか。」これはなかなか難しいですが、たいへん面白い問題だと思います。なぜ日本だけが、あれが許されているのかという。

そしてメロディの問題。果たしてあれは「国民国家」にふさわしいものなのだろうか。と(控えめに)思います。

君が代の歌詞は、天皇家を称えるもの(で、いいんですよね?)。民主国家でそんなことでいいのか、と批判する意見もありますが、まあいいじゃないの天皇は象徴さんだし、憲法第1条でもそう定められているし。ただ、メロディですよ雅楽ですよ。あれはいわゆる「支配階級の音楽」ですよね。国民が、天皇を称える時に自分たちでうたうメロディか、というと違いますよね。何か、自分たちのうたじゃないんじゃね、と思うわけですよ。じゃあ何がいいんだ、というといいアイデアはなく、「西洋風」が無難なところかなあ、としか思いつかないんですが。(こういう風に、他国の国歌は決まったのかも知れませんね)

もっとも、相撲の表彰式とかサッカーの試合前に歌う時、そんなことを考えている人はほとんどいないのでしょうけどね。

B0013MYRBM 世界の国歌 ベスト
船山絋良 国歌
キングレコード 2008-05-09

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posted by gyogyo6 at 00:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 五輪(スポーツ)と音楽 | 更新情報をチェックする

2010年06月21日

これはダメだ、と思った会話

「ねー、あなた『ナウシカ・レクイエム』って曲持ってなかった? 今度弾くことになったんで参考にしたいんだけど」

「あー、“ラン、ランララランランラン”ってやつね。サントラ持ってたよ。東の棚の上の方に置いてたと思う」

「(しばし探す)ねー、ないよー」

「あれれ、ないか? 確かにそのへんだったけど…。あ、ちょっと待ってな。iTunesに取り込んでたかも知れん。ちょっと検索してみるわ。…あったあった」

「便利ねーこれ」

「まースピーカーがしょぼいからあんまりおすすめできないけどね。…ちょっと待って、ごめんこれ違うわ、カバーバージョンだった。オリジナルとは雰囲気全然違う」

「えー」

「YouTubeで探そうか?」

というわけで、確かに持っていたはずのCDはついに見つからず、誰かがYouTubeにアップした音源を聞くハメになったのでした。便利っちゃあ便利なんだけどこの状況はまずいよなあ。

posted by gyogyo6 at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | 更新情報をチェックする

2010年06月19日

やつらはブブゼラのことを何もわかっちゃいない

今回のワールドカップで常に鳴り響いているブブゼラ。ついに、こんなことをするテレビ局が現れたそうです。

ブブゼラの音だけカット、フランスのTV局が成功 W杯 (asahi.com)

このテレビ局は映画の音響効果で用いる機器を使用し、ブブゼラの音の周波数だけをカットした。ほかの観客の声援や、アナウンサーの実況などは、そのまま聞こえるという。…担当者によると「ほぼ完璧(かんぺき)だった」という。このテレビ局では今後もブブゼラ抜きの放映を予定している。

いや、でもこれはやっちゃいかんでしょう。南ア大会は、このブブゼラの響きとともに記憶されるべきものです。それを除去してしまうなんてとんでもない!

ちょうど、ある時期の日本サッカーが、ガラガラのスタンドとそこに鳴り響くチアホーンとともに記憶されているように。また、それによって当時の状況がより理解できるように。

ブブゼラを除去してはいけません。で、ワタクシのW杯は、民放の中継で流れるカップヌードルのCM(フィーチャリング・ジャミロクワイ)が気になって仕方ない。「ホカノジャイヤーヨー…」。

日本代表は最後の3戦目がんばれよ。

posted by gyogyo6 at 23:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 五輪(スポーツ)と音楽 | 更新情報をチェックする

2010年06月12日

パクリとオマージュ

その昔は、パクリだと訴えるといえば「私の作品をあの有名作家(作曲家)が盗作した!」と、どちらかといえば無名の人(本人)が主張するパターンが多かった気がする。「マイナーだからバレないと思ってたんだろう!」って。我々はその主張を聞いて「いやーそんなの知ってたはずないだろ(でも確かに似てるな…)」と思ったものです。

最近はこれと逆で、「あの作品は有名な(=誰でも知っているような)アレをパクったものだ」と外野がやかましいパターンばっかりだ。どっちもそこそこ有名作という。いや、パクった方がマイナーという例の方が多いかも。こういうのだと大変見つけやすいけど、つまんない。でも「正義の名の下に断罪」がお好きな方は多いようですね。本来、こういうのは真似られた(と感じた)側が怒って訴えない限り、静観してるべきと思いますが。

なにか先行作に似ている作品があった場合、似ている先が自分よりもマイナーなものならパクリと呼び、似てる先が自分よりメジャーなものならオマージュということにして笑って許してやる、あたりが外野として妥当なところかと考えていました。でも、最近の傾向は違うようです。うーむ。

なんてことをワールドカップ開幕戦を観ながら考えてました。(←唐突)
posted by gyogyo6 at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | オぴニオンw | 更新情報をチェックする

2010年06月06日

ワールドカップの音楽の思い出(12年前)

ワールドカップの音楽というのをはじめて意識したのは98年フランス大会のユッスー・ンドゥールかな。セネガル出身の彼が、大会の公式アンセム「勇者たちの庭」を歌ったのです。ユッスーは既に大スターだったけれども、自国のアーティストを差し置いて出場経験のない国のアーティストを起用するとはやるなフランス、と思いました。この時点でこの大会、フランスの優勝が決まったようなものです。そして4年後の日韓大会、初出場のセネガルが開幕戦でフランスを破ることも…。

B0000565JI 勇者たちの庭
ユッスー・ンドゥール
ソニーレコード 1998-05-20

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日本での紹介は、はっきりいってあまりありませんでした。リッキー・マーティンの公式テーマソングの方がよく流れていたからかも知れません。大会前に「ニュースステーション」で、ユッスーのインタビューが放映された。しかしアナウンサー(角澤です)は、「今流れていますこの曲、を歌っている歌手の方のインタビューです、ご覧下さい」とだけ紹介し、ユッスーの名前はついに口にしなかった。ひどいね。

当時の公式アルバム。

B000056772 ALLEZ!OLA!OLE!The Music Of The World Cup
エピックレコードジャパン 1998-04-29

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日本から参加したのは「元祖・世界のTK」こと小室哲哉先生。 ちょっと聞いて「こりゃダメだ」と思ったら本当に代表チームは全敗という結果でした。ワールドカップは文化も含めた国の総合力が試されるのです。

ユッスーは自らもサッカーの大ファンで、ヴァージン移籍で(世界向け)第1作となった「ザ・ライオン(1989)」の冒頭に置かれた表題曲はセネガル・ナショナルチームの応援歌。こんな曲で応援されたらそりゃ鼓舞されるわなあ。残念ながら今大会は予選で敗退しました。

B00000DR5S The Lion
Youssou N'Dour
Virgin 1992-06-29

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実は

この記事は4年前のこいつのリサイクルです(^^)

1998年大会は日本が初出場したということで、自分の中でもずいぶん盛り上がってました。それから12年…、4大会連続出場というのに、なーんかグッとくるものがないですね…。先日のコートジボワール戦も「ドログバのようなアフリカの、いや世界の至宝に怪我さすとは何事!」という感想があるのみでねえ…

posted by gyogyo6 at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 五輪(スポーツ)と音楽 | 更新情報をチェックする

2010年06月04日

世の中に流れる音楽

私がtwitterでフォローしているくろんさんのつぶやき。

_klon / くろん
音楽の話だけを書くと、ニコニコ動画は世の中に流れる音楽の質を極端に下げたと思う。それが悪いと言うつもりはまだないけど。 http://kirik.tea-nifty.com/diary/2010/06/post-6a6f.html at 06/03 04:45

同感であります。と同時に、これはバンドブームの時も、パンクロックの時も、シンガーソングライター全盛の時も、はたまたビートルズ登場の時もプレスリーデビューの時も、同じことが言われたのだろうとも思います。

ところで、カラオケチェーン JOYSOUND がまとめているランキング、最近はとんでもないことになっています。

ランキング : カラオケランキング-総合 | JOYSOUND.com

5/24〜5/30のランキングで、トップ10のうち「初音ミク」などボカロものが7曲、アニソンが2曲。唯一入っている「ふつうの曲」が坂本冬美だけ、という、なかなか凄い状態です。これが「総合ランキング」というのが、にわかに信じがたい。もっとも、こんなことになっているのはJOYSOUNDだけのようですが…。

まあこれは「世の中に流れ」てるんじゃなくてカラオケルームの中に流れてるのですけど、いつからこんなことになったのでしょうかね。

posted by gyogyo6 at 23:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | オぴニオンw | 更新情報をチェックする