2005年04月01日

"The Very Best of Sting and The Police" 問題な日本語

今回、日本盤それもベスト盤を取り上げるのは、ここにしか収録されていないレアな曲があるからです。
スティングが日本語でうたった、ポリスの「ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ日本語バージョン」。

…エイプリル・フールにエントリしますが、ちゃんと実在します。1980年、「ポリス日本初来日ツアー」を記念して作られたものです。97年に出たこのベスト盤では、この一曲のみを収録したシングルCDがついて2枚組の構成となっています。

スティングの書く詞はほとんどがきちんと韻を踏んでいます。
書かれたものを読むだけでも気持ちいいし、歌になると本当に美しく響きます。
英語は。

さて問題の "De Do Do Do, De Da Da Da"
邦題は「ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ」
歌い出しの8小節はこんな詞ではじまります。

Don't think me unkind
Words are hard to find

5音節×2行で、韻も踏んでいる。
美しいですね。
日本語訳は
「君に言う言葉が見つからないからって/僕を冷たい男だと思わないで」
とやたらと長いんですが、要は日本語でこれだけ言葉を費やすところをたった9語で表現している。簡潔です。シンプル・イズ・ベスト。

さてこの一節にあてられた日本語歌詞は。

コトバダト
ウソニナル

……。

弁護するようですが、日本語詞(作詞は湯川れい子です)は全体としてよくできていると思います。
上の例だと、原曲に合わせて日本語詞も5音節×2でできています。他の部分も韻こそ踏めていませんが、音節数(要は音符の数です)は原曲にできるだけ忠実に作られていて、曲の雰囲気を損ねないように苦心しているのがよくわかる。スティングの発音も、少なくとも聴いた人は「ああこれは日本語だ」と分かるレベルで、明瞭に聞き取れます。
出来は良いのです。

ああそれなのに「コトバダトウソニナル」。

8小節でこれだけでは、いかにも間延びしてしまう。
越えられない壁を感じます。日本語をうまく乗せるのは難しい。

他にも一人称が「オレ」だったりと(スティングってオレオレというイメージ…ですかね)突っ込みどころは多い日本語詞なのですが、スティングはそれでも手を抜かず誠実にうたっています。素晴らしい。

シンプルと言えば、ポリス末期の作品 "King of Pain" などは詞もメロディも余計なものを一切そぎ落とした究極と言っていい一曲です。これにまっとうな日本語詞をつけられる作詞家はいるだろうか。ぜひ聞いてみて… と思ったけどこのベスト盤には未収録じゃないか!どこがヴェリー・ベストだ。

ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・スティング&ポリス
スティング&ポリス ポリス
ユニバーサルインターナショナル 1997-11-24


by G-Tools

King of Pain ならこちら。(リンク先試聴可)

Synchronicity
The Police

by G-Tools

(注意)2002年に同名のベストアルバムが出ています(ジャケットは違う)が、そちらにはこの「日本語版」はついてませんのでご注意。紛らわしいことしますね。

posted by gyogyo6 at 02:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | よい音楽(松) | 更新情報をチェックする
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