美空ひばりが亡くなったのは1989年なので、1990年のお正月、ファンは喪に服していたのだろうか。
そのお正月(ひょっとすると大晦日だったかも知れない。とにかく正月休み中)に、NHK-FMでひばり追悼番組が放送された。
タイトルは「ひばり島珍道中」。DJを務めたのは大滝詠一である。「ひばりをポップスの側面から紹介」というコンセプトだった。
「まずは聴いて下さい」とかかったオープニング曲が、「A列車で行こう(Take the A Train)」。
英語で歌う美空ひばりに、高速スキャットを軽々とこなす美空ひばりに、腰が抜けた。のほほんとした休日でよかった。
こんな美空ひばりもあったんだ。
彼女が亡くなった年にはいろいろな追悼番組があった。しかしそこでかかる曲は「悲しい酒」であり「リンゴ追分(大人バージョン)」であり「柔」であり、良くて「悲しき口笛」に「東京キッド」。そして最後はなぜか「川の流れのように」で決まりである。
今でこそ、多彩な一面を持った歌手であると評価されているけれども、当時はまだまだ「演歌の女王」的扱いが多かった。
そんな自分の固定観念を見事に引っ繰り返してくれたのが「A列車」と「珍道中」DJの大滝詠一だった。
「A列車」は1955年の録音、「ばら色の人生(ラ・ヴィ・アン・ローズ)」とのカップリングでシングル発売されたようだ。
美空ひばりは小さい頃から芸能活動をしていたこともあって満足な教育を受けておらず、英語もしゃべれない。歌うことにかけて傑出していたとはいえ、何の苦もなく歌いこなせる(ように聞こえる)のは、ほんと天才としか言いようがなかったんだろうなと思う。
美空ひばりがこんな歌をうたっていた昭和20年代というのは、案外バラエティ豊かな音楽が街に流れていたのかもしれないと想像すると、ちょっとうらやましくなった。
それにしても、「川の流れのように」がいつの間にか美空ひばりの代表曲とされているようなのがどうにも納得いかない。これは秋元康の陰謀ではないのか?(笑
ジャズ&スタンダード
美空ひばり
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これはテレサ・テン(前記事参照)と違って今でも容易に手に入るようだ。恵まれてますね。
私が持っているのはこの「ジャズ&スタンダード」なのだけれど、今から聴く分には今年出たこちらの方がいいかも知れない。
魅惑のワルツ
美空ひばり
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ずっと後になって追記(2007.6)
コメントをいただいて思い出しました。「ひばり珍道中」でフィーチャーされていたもうひとつの柱「リズム歌謡」の世界を堪能するには、2006年に出たこちらが最適です。解説を湯浅学が書いています。
ミソラヒバリ リズム歌謡を歌う!1949-1967
美空ひばり
コロムビアミュージックエンタテインメント 2006-11-01
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さらにずっと後になって追記(2008.1)
なんと、この「ひばり島珍道中」が2008年1月4日14時から「大滝詠一リマスター・スペシャル」としてNHK-FMでリマスタリング(?)再放送されるそうです。皆様、エアチェック(死語)の用意を!
日本を代表するミュージシャン・大滝詠一。これまで、30年間にわたり彼がDJを務めてきたNHKのラジオ番組は、相当の数にのぼる。大滝氏は、NHKのアーカイブスが確立していなかった時代から、自身の番組を編集前の素材も含めて保管してきた。今回は、その貴重な“大滝アーカイブス”からとくに評価の高かった番組を、大滝氏自身が厳選。当時は、編集でカットされた秘蔵音源も交えて、彼ならではの解説を加えて現代に蘇らせる、“番組のリマスタリング”がこの番組である。






この番組のこと、いつかブログに書こうと思っていたんです。
ほんとに新鮮な切り口でしたね。カセットテープに録って、ずっと聴いていました。今、どこにあるかなぁ?
このCDも持っています。
コロンビアも、もっと自由に編集盤作らせないのかなぁ?
番組では、中盤で「ひばりのツイスト」「アキラのツイスト」を続けてかけたところも面白かった。小林旭の方は「どこがツイストやねん!」と言いたくなるような曲で、これを聴いてひばりは離婚を決意したんじゃないでしょうか(^^)。こういうのも含めてCD化希望(^^)。僕も家のどこかに録音したテープが残っているはずですが…。
大滝さんがこの番組をやっていなかったら、恐らく僕はひばりさんをこんなに聞き込むことはなかったと思います。
もう、ご存知だとは思いますが、「ミソラヒバリ リズム歌謡を歌う」が2006年の10月にリリースされています。この番組でかけられた曲の大半は、このCD2枚組で楽しむことができますよ。
「ひばりリズム歌謡を歌う」! 私も買いましたが、痒いところに手の届くセレクションで満足しました。解説を湯浅学氏に任せたのもかなりの英断だったかと思います。
美空ひばりの編集盤といえばかつては似たようなヒット曲集ばかりで(もちろん、コアなファンがそれを望んでいたのであればいいのでしょうけど)なんだかなあと思っていましたが、最近こういうアプローチの盤も増えてきて、評価の視点が拡がってきたのかなと感じています。