2008年06月25日

大御所に届いたロイツマ "Ievan Polkka"

前記事でも書いたミュージック・マガジン7月号、中村とうようの定例コラム「とうようズ・トーク」の最後にこんなことが。

先月のこの欄で、《東欧あたりのポルカぽい曲をヒップホップ化したような音楽》が若い女性たちの間でハヤッっているらしい、なんて書いた。編集部の栗原がインターネットで調べてくれたところでは、その正体は「レヴァン・ポルッカ」って曲で、東欧でなくフィンランドのロイトゥマというトラッド系グループの98年のアルバム『シングス・オヴ・ビューティ』に入っており、日本ではアニメに使われて一部で知られてるのだそうだ。元のアルバムは廃盤らしいが、それが密やかにオタク系のヒットになってるということか。

おっと、ひょっとしてこれは "Ievan Polkka" のことでしょうか? ネットで話題になり始めたのは確か2年前だったと思うので、2年かかって中村とうようのところまで届いたのかと思えば感慨しきり。なんか微妙に事実誤認があるような気もしますが、細かいことはキニシナイ!

とうよう氏が耳にしたのはこのバージョンでしょうかね? (Loituma TECHNO!)

それともこちらか。(Levan Polkka the official video)

参考: ロイツマ・ガール - Wikipedia

「CDはどこへ行く」のほう、「アナログレコードは健在だろうがCDはやがてなくなるだろう」という意見の人が多いのは年代のせいだけでもないような気がします。ああ不憫なコンパクト・ディスク。

posted by gyogyo6 at 23:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月19日

「CDはどこへ行く」

ミュージック・マガジン誌が、今月号で「CDはどこへ行く」という特集を組んでいます。

この雑誌の読者は、「CDよりもレコードをよく聴く」という人の方が多いのではないかと言う気さえしますが、それはそれとして、この古株音楽誌がどのようなスタンスでいるのかは興味あるところです。

とりあえず「あとで読む」としまして、目次をメモしておきます。

  • 「音楽CDはなくなってしまうのか?」高橋修(編集長)
  • 「音楽文化を支えてきたレコード会社に、未来はあるのか」近藤康太郎(新聞記者)
  • 「レコード会社の役割は、かつてより高まってきている」古澤清(ソニー・ミュージック・ディストリビューション社長)
  • 「背中がぞくぞくするようなシングル・ヒットが出てこなきゃ駄目だ」石坂敬一(ユニバーサルミュージックCEO、日本レコード協会会長)
  • 「アルバムを作る、聴くという文化がなくなってしまうことに対して、いちばん脅威を感じています」小西康陽
  • 「CDからインターネットや携帯電話へ? NINの試みから考える音楽配信の可能性と限界」小野島大(評論家)
  • 「最高の遊び場としてのレコード屋をなくしていいのか!」原田尊志(El Sur Records)・保木哲也(レコファン)・松永耕一(元バイヤー)
  • アンケート 石田昌隆・大鷹俊一・岡村詩野・行川和彦・萩原健太・原雅明・松山晋也・ムードマン・渡辺健吾・渡辺亨

特集記事ではありませんが、大阪・四天王寺の縁日でレコードを売りに出していたおっちゃんが「もうレコードの時代は終わった…これからはシーディーの時代やで」とひとりごちていた、という安田謙一氏のコラムがウケタ。

MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2008年 07月号 [雑誌] MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2008年 07月号 [雑誌]

ミュージックマガジン 2008-06-20
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
posted by gyogyo6 at 22:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月08日

となりのトトロ20周年でリメイク希望(特に…)

会社への通勤途中に、スタジオジブリ関連グッズを専門に扱っているショップがあります。その店頭に「となりのトトロ 20th Anniversary」という大きなポスターが貼ってあります。そうか、公開からもう20年経つのか。

20年と聞いて私がこの映画に望むのは、「作り直してくれないかなあ、音楽を」ということです。

「トトロ」を制作したときの宮崎駿は、アニメというフィールドでは押しも押されもせぬ大監督ではありましたが、一般的な知名度や人気はまだまだ、興行的にもぱっとしなかったように記憶しています。「トトロ」も、公開されたのは夏休みでも春休みでもなくゴールデンウィーク興行でしたし、「火垂るの墓」との二本立てという厳しい状況でした。しかしながら興行自体決して成功とは言えない中でこの二本ともが、アニメファンのみならず一般の映画評論家、ファンからも絶賛され、翌年夏休み公開の「魔女の宅急便」が興行面でも成功した(これは、日本テレビが制作に加わったのも大きいですね)ことで、スタジオジブリと宮崎はヒットメーカーの道を歩みだすことになるのですが、それはそれとして。

さてそんな状況ですので、この「トトロ」の制作は予算的に結構厳しかったのではないかと思います。そう思い出すと、劇伴の音楽がどうにも安っぽく聞こえてしまうのですよ。打ち込みが多いというか。もちろん意図して使われる打ち込みやら電子音はいいんですけど、オーケストラの代用として使われるのはどうにもいけません。映像や声優はこのままでいいので、音楽だけでもフルオーケストラの生楽器で録り直してもらいたいものです。

なかでも、オープニングとエンディングの主題歌。これだけでも何とかなりませんか。聞くたびに「アチャー (ノ∀`)」て気分になってたまらないのですよ。子供に聞かせる音楽に、「生楽器の代役としての電子音」はなるべく避けたいのですよねー。

トトロとオーケストラということでは、こんな作品やコンサートもありますが、

オーケストラストーリーズ となりのトトロ オーケストラストーリーズ となりのトトロ
久石譲 新日本フィルハーモニー交響楽団

徳間ジャパンコミュニケーションズ 2002-10-23
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

そうじゃなくてやっぱり映画本編をきちんと演奏してほしいんです。これだけ広く親しまれている映画なんですから、それぐらいしてもバチは当たらないと思うんですが…。おカネならあるでしょ、ジブリさん。こういうところに使ってほしいなあ、新作もいいけど。

posted by gyogyo6 at 00:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月07日

アイドルという「汚れ仕事」?

Perfumeの「GAME」、限定版についていたDVDを同居人と観ていた時のことです。

1曲目「ポリリズム」のクリップを見ていた同居人が、突然叫びだします。「なんでこの子たち、こんなことやってんのよ私なら絶対出来ない!」

どういうことかというと、(「ポリリズム」はライブ映像なのですが)「どうして、こんなアイドルオタクばっかりの観客の前で歌おうって気になるんだろう? すっごいストレスじゃない、これって?」だそうです。
確かに、客席は大部分がそれ風な感じ。「まー、客席は暗いからあんまり見えないだろうし、気にならないんじゃない?」「ライブだけじゃなくて握手会とかもするんでしょ。そしたらこんな人たちと延々握手するわけじゃん。いいの、それで?」「いいのって言われても…彼らファンなんだし」
「こういう人たちに聴かせようって思って彼女たちはやってるの? これほどのタレント性があったら、別にアイドルっぽい意匠で売り出さなくてももっといろいろ方法はあるじゃない。そしたら、つくファンだって今と違うじゃない。自分たちも『応援してくれる人たち』を選びたいでしょうに」「まあ、ねー」「ボーカルも変に歪められてるしさー、こんな売られ方で平気なのかな」…自分には答えが見つかりません。

「Perfume並みのルックスとスタイルがあったら、私ならアイドルという職業じゃなく雑誌のモデルかなんかを選ぶね」

ということなのですが…、どうなんでしょうか。「そこはほら、プロなんだから!」ということにしましたけれどもね。

posted by gyogyo6 at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月02日

新奇なプロモーション≠新規のビジネスモデル

Radioheadがアルバム "In Rainbows" をリリースした際、「価格はリスナーが自由に決めてくれ。無料も可」といってダウンロード販売を行ったのは昨年秋のこと。(その後、CD媒体でもリリースされました)高い人気を誇るバンドがやったというので当時は「新しいビジネスモデルへの果敢なチャレンジ」と大きな話題になりましたが、もうしないそうです。「プロモーションの実験だったのさ」と。そういえば、ダウンロードは期間限定でした。

トム・ヨーク先生曰く:

「特定の状況下で実行した1回限りの取り組みだ。当時は誰もがわれわれに次どういう手に出るのかと、尋ねてきた。ユーザーが好きな価格で購入できるという、同様のことを今やっても同じだけの意味はないだろう。あれは、ある期間に限定して試したことだ」

レディオヘッド、pay-what-you-wantプロモーションは続けず - CNET Japan

同じ頃にプリンスが新作アルバムを「大衆紙のオマケ」として無料でばらまいたことなどとあわせて、これまでの「レコード(CD)を売るのが至上命題、ライヴツアーetc.はそのためのプロモーション」的な考えを180度引っ繰り返すものとして注目されたわけですけれども、それだけでは算盤が合わなかったということでしょうか。

しかし、プロモーションとしては結構な成功を収めたと思います。レディオヘッドの名はロックファン以外にも浸透し、たとえば池田信夫氏のような人にまで言及され、「イン・レインボウズ」のダウンロードに3ポンドも払わせたわけですから! (→池田信夫 blog レディオヘッドの実験 )これからもあれこれ試行錯誤が続くのでしょう。

レディオヘッドのような大物がいろいろ試してみることは他のミュージシャンたちや業界全体に大きな影響を与えると思います。そして、「試してみたがもうしないYO」と表明することも、ね。

このブログの過去の参考記事:
無料配布? 販促物? (2007.7)
「レコード業界」の今後 (2008.2)

posted by gyogyo6 at 16:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月11日

マエストロ #3(完)

連載中断やらいろいろあった「マエストロ」、完結巻が出ました。

オーケストラと指揮者の世界を描いたこの作品、最後まで高いテンションで完走しました。最終話の一つ前の第21話が、他の回を大きく上回る62ページもあるのですが(これはWeb上の連載時には4回に分けて発表されていました)、ここが圧巻ですね。凄い音楽が聴こえます。

「天籟」って知ってる?
「天籟」というのは 耳に聴こえない 音楽なんだ
それは 宇宙そのものを 響かせる音楽
今日は そんな音楽が 世界を 静まりかえらせる
そんな 日…

うん、テンライおぼえた。

「神童」以来の、さそうあきらによる音楽まんがですが、彼が「神童」、そして「マエストロ」で描いている音楽はやはりマンガでないと描けないものだなあと思います。

少なくとも、映画やテレビドラマ、あるいはアニメにするのは大変難しい。描かれた演奏を実際に「音」にしなければならないわけですから。昨年「神童」の映画が公開されましたが、そこで演奏された音楽は、私には「え?え? こんなのでいいの?」と思ってしまうようなものでした。(当時の感想です→『「音楽の衝撃」を体験したかった』
音楽に打ち込む人間を描くといった作品ならいろいろ作りようもありましょうが、音楽そのものを描かんとする作品(「マエストロ」は「神童」よりさらにその傾向を強く感じます)は、本当に他の表現に移し替えづらいだろうなと。

唯一無二の表現、というわけです。

マエストロ 3 (3) (アクションコミックス)マエストロ 3 (3) (アクションコミックス)
さそう あきら

双葉社 2008-03-28
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
posted by gyogyo6 at 01:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月07日

240枚×500組

以前、なかば呆れながらもここで取り上げた(記事)、カラヤンのグラモフォン盤240枚組ボックスセット(30万円)は、500セット以上売れたのだそうです。ディスクの枚数でいうと12万枚以上ということになり、もしもCDセールスチャートがタイトルベースの販売数でなく枚数ベース、あるいは金額ベースだとすると、相当上位にランクされることになります。…ということに関する玉木正之氏のコメント

「カラヤンで儲けてる関係会社の社長さんの友人だけでもそれくらいは売れるでしょう。コマーシャリズムの輪の中で生き抜いた音楽家ですから」

うひゃひゃ。言いますね。演奏についても「瑕瑾すらない美しさ。カラベリときらめくストリングス。仕事中のBGMにはOK」などと、なかなか厳しい言葉が続きます(評価している部分もありますが)。カラベリって。これ、テレビ局の取材に答えてのものらしいですが、どこかで使われたんでしょうか?

posted by gyogyo6 at 18:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月11日

JEUGIA梅田店が衣替え

3年以上前になりますが、JEUGIA梅田店のことを同店のオープン時にちょっと書いたことがあります(記事)。クラシックとジャズに特化した品揃えのCD+楽器ショップで、その時には「コンセプトに殉じることのないよう云々」と応援していました。

そのお店ですが、今月からCDやDVDといった音楽ソフトの取り扱いをやめて、楽器と楽譜の専門店へと大胆な模様替えを敢行したようです。あれあれ…。また行ってみよう。

JEUGIA梅田ハービスENT店
フロアガイド

店から同居人宛に「スタインウェイ・ピアノを多数展示しています」ってDMが来てたんですけど(あれ? どうやって調べたんだろううちの住所?)、あんなでかいピアノ、家に置き場はないよ。スタジオのレンタル料金(6,000円〜/2h)は結構安いですね。

posted by gyogyo6 at 13:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月29日

さて、チャートの価値はありやなしや

ブランドバリューなら世界一であろうビルボードが、日本のヒットチャート集計・発表をはじめたのだそうです。特徴はレコードセールスのみのオリコンと違い、セールスにラジオ放送回数を合算したチャート(本家Billboardもこの方式ですね)ということ。「その曲が世の中にどれだけ広まってるか=ヒットしてるか」を示す指標としては、こちらの方が実感あるんじゃないかと思いますね。でも世界のブランドが日本でも通用するのかどうかはよくわかりません。

で、見てみました。TSUTAYAと提携しているということで同社のサイトにチャートが掲載されています。どれどれ。

チャート100 - Billboard - TSUTAYA online

うわ、全然知らないわ。これはやばい。ジェロ君だけだよわかるのは。ヒットチャートを追いかけなくなって久しい自分には別世界です。

いや待て、そもそもヒットしているものを並べるのがヒットチャートなのであって、とすると「ヒットチャートを追いかけないと何がヒットしているか分からない」という状況は、要するに「何もヒットなんかしていない」ということでしょうか? よくわからなくなってきました。西城秀樹の言葉として以前紹介(記事)した、「お母さんが『やめろっと言われても』と口ずさみながら夕食のダイコン切っている」という風景は、このチャートからは浮かんできませんし…。

(参考)
日本版ビルボードチャート提供開始シングルチャートなど4種類 - 六本木経済新聞
オリコンの使い方使われ方(このブログの過去記事 2006/12)
続・オリコンの使い方使われ方(このブログの過去記事 2007/1)

posted by gyogyo6 at 21:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月26日

こういう役割が似合うようになったね、クラプトンは

北朝鮮、エリック・クラプトンさんに公演依頼 英紙報道 (asahi.com)

26日付の英紙フィナンシャル・タイムズは、北朝鮮が英国出身のギタリスト、エリック・クラプトンさんに来年、平壌でコンサートを開くよう依頼したと報じた。クラプトンさんも基本的に同意しているという。

元記事はこれですね。

N Korea strikes chord with Clapton invite (FT.com)

なんというか、クラプトンってこういう役割が似合う人になったな、と。あともう一人お似合いの人がいますね、その名はポール・マッカートニー。

まー、北朝鮮人民(と幹部)にマドンナのステージを見せてやれば、少しはあの国の風通しも良くなるのではないかと思いますが、実現はなかなか難しそう。でも、ニューヨーク・フィルよりクラプトンより効果あるんじゃないかなあ。

そうそうそのニューヨーク・フィルご一行ですが、平壌公演のあとは韓国でも演るとか。せっかくご近所まで来てるというのに、日本を素通りとは残念なことです。

追記

関係があるかどうか分かりませんが、CNN ほかによると、金正日総書記の次男である正哲氏がクラプトンのファン、という話があるそうです。

posted by gyogyo6 at 23:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月09日

「レコード業界」の今後

SHM-CDで音が良くなったかどうかなんてことは関係なく、CDそのものがだんだん肩身が狭くなってきているのは残念ながら厳然たる事実です。今、駅前のビルに大きな面積の店を出しているタワレコやら何やらというショップは、いったいいつまでその形態を維持していけるんでしょうか。それより以前に、どこの駅前にも必ずあった小さなレコード屋さんは今や虫の息ですが…(うちの駅前には健在です。小学校の同級生が店主です。演歌のカラオケテープしか売れへんわと嘆いておりますが)。

自分も、CDやレコードという形に慣れ親しんできたので、こういう「パッケージ」の未来がどうなってしまうのかは心配です。…ということを、iTunesで音楽を流しながら書いています。AACの圧縮音源をMacBookのスピーカーで聴く、なんてほんとしょぼい音になりますが、これで十分なシチュエーションというのも確かにあるわけで。

そんなわけで、最近目についた文章から。

レコード、つまり、音楽を録音したパッケージを売るという至上目的のために、他のすべてをプロモーションと考える。かつてのシステムはそういう方向で肥大してきた。だが、それががらがらと崩れ落ちて、今度は商品はレコードではない、音源はタダで配っても、その他のマーチャンダイズで利益を得ればいい、というビジネス・モデルが出現しつつある。今回のレディオヘッドもそういう側面を持つし、プリンスがイギリスの新聞に新作CDを無料でオマケとして付けて配布したのは、まさに象徴的な例になる。
僕はレコードというものに強い思い入れを持つ人間なので、それはそれで残念な気持ちが強い。「レコードを売るためのツアー」も歪んだ形だったかもしれないが、「ツアーや物販で利益を上げるために配布されるレコード」というのもどうなのだろうか。レコード会社不要論とは別のところで、何か重要なものを置いてきぼりにしているような気分は拭えない。
(高橋健太郎・レディオヘッドインタビューに寄せて)
誰もが音楽を配信できうるという意味で、誰もが音楽家になりうる環境が用意されている現状で、アーティストの価値の立証はどんどんと売り上げのみへと集約されていっている。インディの狭い市場でさえ、二番煎じを狙う方向で需要を掘り起こすしかない事態に陥っている状況では、アーティストはますますセルフ・プロデュースに長けた一個人事業主として生き抜いていかねばならない。何を作るのか、という以上にどう見せ、どう売っていくのかにも配慮せざるを得なくなっている。
(原雅明・シスコ閉店に象徴される業界の激変について)
買うたびたまげるぶ厚いケースのせいで、幅1mを超えてウチのCD棚を猛進する浜崎あゆみ作品群を眺めて思うの。売れなくなってれば耳を治す暇もあったんじゃないかと。
(石井恒・これがヒットよ!)

…ごめん最後のはちょっとずれた。だけど全く無関係でもないですよね。

posted by gyogyo6 at 18:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月06日

で結局、SHM-CDってどうなのと訊かれたら

SHM-CDについての記事を書いたところ、この言葉で検索してこられる方がたいへん多くて驚いています。私は最近まで知らなかったのですが、注目度は高いんでしょうか。

で、「お前はこれでいい音になったと本当に信じてるのか?」という疑問もあるかと思いますので、現時点での私の考えを。もっとも、聴き比べをしたのは1枚だけなので、そこは割り引いてお考えください。

  • 少なくとも私の環境で聴くと、何かしら音が違う気がする。
  • しかしその原因が「超高品質素材」のせいかというと、よくわからない。
  • だれか教えてください。理系の皆様が集うスラッシュドットでは「そんなの変わるわけねーwwwだったら証拠を出せwww」という意見が支配的ですが、そうじゃなくて、「もし音が変わる(と感じる)なら、それはなぜだろう」というのが知りたい。
  • いや別になぜだか分からなくてもいいですけどね、という気持ちもちょっとある。
  • もし「気のせい」だとしても、「いい音で聴けたよ♪」という「いい気分」を買えるのなら、それもそれでいいかと思う。
  • たとえば温泉旅行は、「腰痛に効く」とかいった効能を期待して、というよりは、総合的なホスピタリティを求めて行くでしょう。そんな感じ。それに温泉よりは安い。
  • ただプラス1,000円は「いい気分代」としてちょっと高いのではないかと思う。
  • 私はそんなに音質マニアでもないので、既所有のアルバムがSHM-CDで発売されても買い直すことはたぶんない。
  • しかし紙ジャケ化とコンボで攻撃されたら、わからない(^^)。
  • 旧譜のSHM-CD化はともかく、今後の新譜がSHM-CDで出るのなら(あんまり高くならないという条件付で)賛成。
  • ところでCDっていつまで発売されるんでしょうね?

まとめ。「器を変えたら音が良くなった」とか言われますが、SHM-CDというのは、まさしく料理にたとえると「高級な食器」なんだと思います。いい器に盛ってくれれば、100円ショップで売ってる食器でいただくより明らかに美味しくなります。リマスタリングは料理の素材を厳選する作業、SACD等はより高いグレードの料理屋に行くこと。それらと比べたらどうでもいいことなのかも知れませんが、大事っちゃあ大事かも?

参考記事

「SHM-CD」を聴いてみた
「ガラスのCD」を聴いて…ないですが

posted by gyogyo6 at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(1) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月21日

「ベートーヴェンの交響曲」を読みました

講談社現代新書「ベートーヴェンの交響曲」を読みました。

指揮者・金聖響がベートーヴェンの交響曲全9曲についてその魅力を語りおろした本。玉木正之との共著。どうも、聖響サンの語りを玉木氏が文章化した、という感じです。

彼はこの書で、一貫して音楽そのものについて語ります。「ここは怒りの感情がほとばしるようで圧倒されます」なんてことは言いません。彼が語るのは曲の構造の美事さ、彼が語るのはメロディのパートを次々と違う楽器に渡しながら微妙に変化させていく展開の妙、彼が語るのは確立された「型」をあえて破っていくお茶目さ(ベートーヴェンが!)です。これは、指揮者ならではの語り口かな、と感じます。

聖響氏は、「ベートーヴェンをCDで聴くときは手元にスコア(楽譜)を置いて読みながら聴くことをおすすめします」なんて書いてます。「楽譜が読めなくても、音符の流れを追っているだけでも楽しいはず」…って、それはやはり楽譜が読める人の意見じゃないか、敷居高いよなあと思いますが、これもやはり聖響氏の「ベートーヴェンが表現したかったことはすべて楽譜に書いてあり、それ以上のものはない」という考えのゆえなのでしょう。実際、読めば面白いのですよ(私は一応読めます、為念)。「何回か読んで終わりの小説と違って、シンフォニーのスコアは一生眺めて楽しめますからお得ですよ」って、それにうなずける人はかなり限定されると思いますが(汗)。

さてベートーヴェンの交響曲で、最近急速に有名になったものといえば、「のだめ」で全面的にフィーチャーされた「第7番」です。(なんでも、全音楽譜が出している「ポケットスコア」のシリーズで、2007年に一番売れたのは「運命」や「新世界より」を抑えて「ベト7」だったそうです)
しかしながらこの本では、その「のだめ」に関する言及はありません。聖響氏、一部では「千秋のモデルでは」とも言われているようですが、どうしてなんでしょうね。版元も同じ講談社なのに(笑)。
聖響氏の「のだめ」評、というか、「フィクションに描かれた音楽」についての意見を読みたかったところですけれど、それはまたの機会ということで。この本がベストセラーになって、シリーズ第2弾「マーラーの交響曲」なんて本が企画されたときに考えていただきましょう。(まさか、マーラーも「スコアを読め」なんて言いませんよね?)
追記:玉木氏の日記によると、第2弾の企画がはやくも進んでいるらしい。『ロマン派の交響曲〜「未完成」から「悲愴」まで』、中心はブラームスだそうです。

曲のことを語る合間には、もちろんいろんなエピソードも挟まれます。その「第7番」の初演をめぐるエピソードなども興味深いものでした。当時のヨーロッパは、ナポレオンが大陸を席巻し、そして敗れて島流しになった、そんな時代。ベートーヴェンも頼まれて「戦争交響曲」なる向こう受けする代物を作り、これがまた(戦勝記念もあって)大衆にえらい人気を博していたわけです。彼はその「戦争交響曲」目当てで来たウィーンの聴衆に第7番の初演をぶつけ、大評判を取る。それまでベートーヴェンは、貴族などの物好きが注目していた「現代音楽作曲家」だったのが、一躍「時代を代表する大スター」となる、そんな曲だったというのです。
なるほど「のだめ」のテーマ曲になった理由が、なんとなくわかりましたよ。聖響サンは「第4楽章などはもう完全にロックで、ぜひジミヘンに弾いてもらいたかった」なんて言ってます。

そして今でも人気の高い「第7番」とほとんど演奏されなくなった「戦争交響曲」を対比して、流行とは何だろう、後世に残る音楽は何だろうと問いかけます。(しかしながらここでビートルズとストーンズを対比させているのは、異論がある人も多いと思いますが・笑)

この本には楽譜もたくさん収録されていますし、文中でも「文字でうたってくれて」います。(「♪ソソソソ〜、ソソソソ〜、ソソソソ〜、シラソファ〜…」とか「♪タララティータララッタッラララリララ〜」というふうに。さて、これはどの曲のどの部分でしょうか)
とはいえ、やはり実際の曲を聴かないとイメージも湧きません。幸い、今はCDの交響曲全集(5〜6枚組)が2千円台からありますので、ぜひ聴きながら読みたいものです。この前CDショップを覗いたら、カラヤン&ベルリン・フィルという大物の全集が3千円台で売られていて(もちろん新品です)驚きました。
…というか、もともと私がこの本を買った理由が、何年か前に6枚組の全集を買ったものの有名曲以外はほとんど聴いてないという困った状態なのをなんとかしようというものでしたので。

ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書)ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書)
金 聖響 玉木 正之

講談社 2007-11-16
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ところで、同業者という立場だからかどうか、この本では「おすすめの演奏はこの指揮者」とか、「この人は巨匠ぶってるがダメ」といった話はほとんど出てきません。しかし唯一、「これはスゴイ」と書いてある演奏があります。さてそれは誰のどの演奏でしょうか?

posted by gyogyo6 at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(1) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月06日

なぜ「川の流れのように」なのか

以前、「なぜ『川の流れのように』が美空ひばりの代表曲扱いされているんだろう」という疑問を書いたことがあります(記事「ひばりのA列車」)。秋元康の陰謀か、というあたりで考察は止まってましたが、今回「ひばり島珍道中」を久しぶりに聴いて(記事「明日『ひばり島珍道中』再放送」)、なんとなく合点がいきました。

「珍道中」でDJの大滝詠一は「美空ひばり演歌の最高峰が『悲しい酒』なら、ひばりポップスの最高峰は『ロカビリー剣法』だ」説を述べています。それが確かに正しいことは、聴いてみると分かります。しかし同時に分かるのは、「これらの曲は美空ひばりクラスの歌手しか歌えない」ということです。

対して、『川の流れのように』はどうでしょうか。この曲は難易度もそんなに高くなく、別に美空ひばりでなくてもうたえると思うのですよ。誰もがうたえる、皆んなでうたえる。よく合唱に編曲されたりもしてますが、ああいう感じです。

要するに、歌そのもの、曲そのもの、としてではなく、コミュニケーションのツールとして『川の流れのように』は優秀なのです。これは最近の「ヒット曲」と呼ばれるものの傾向と同じです。
「故人をしのびながらみんなでうたう」には最適。美空ひばりがこの世を去った現在は、そういう「使われ方」ができる曲が「名曲」「代表曲」とされるんではないでしょうか。

あるいはこう言い換えることもできます。「初音ミクは『川の流れのように』は得意だけれども『ロカビリー剣法』はうまくうたえない。そして、初音ミクがうたえる曲かどうかがその価値を決める。それが今の傾向」

…大滝の選曲の妙もあるのでしょうが、「ひばり島珍道中」を聴いていて改めて彼女の歌手としての凄さを感じました。誰も代わることができないんですよね。 …もちろん、この番組に『川の流れのように』の居場所はありませんよ。

posted by gyogyo6 at 14:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月04日

ケータイでFM放送録音に挑戦→その結果…

ひとつ前の記事に書きました「大滝詠一リマスタースペシャル」最終日の「ひばり島珍道中」。仕事中だけど無理してでも聴いてやろうということで…

私が使っているau携帯電話(W53SA)に "EZ-FM" というFMチューナーのアプリがあったので、それの録音機能を使ってみることにしました(仕事中にラジオは聞けないので)。しかしながら。音質はちょっとビットレート低めでモノラル、おまけに録音した音声ファイルはケータイの内部メモリから外へ移動できないという仕様であったことが判明し、ほとほと困っております。microSDカード経由でiPodに移すつもりだったのに、録った音はケータイでしか聞けないようです。著作権への配慮などがあるんでしょうか。うーむ不便だけど今さらどうしようもない。

おまけにおまけに途中でケータイにメール着信がありそこで録音が途切れてるし(1時間15分経過時でストップ、つまり後半45分が録れていない。マルチタスク処理じゃないのか、このケータイは)。残念だけど「しゃーない」としか言いようがありません。録れた分だけでもゆっくり聴きましょうぞ。

それはそれとしてですね

電車の中でケータイにヘッドフォンを挿して音を聴くというのははじめての体験だったわけですが、使い勝手とかはともかくこの軽さはいいですね。いま携帯オーディオはHDモデルのiPodを使ってますが、 iPod nano にしてみようかな。と要らん物欲が出てきた年明けでした。

posted by gyogyo6 at 22:56 | Comment(0) | TrackBack(1) | 音楽の周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする