SHM-CD というものが最近発売されました。 Super High Material CD 、日本語で「超高級素材CD」。公式サイトで解説していますが、要するに「いい素材を使っているので普通のCDより音がいいんだ!」ということだそうです。本当でしょうか。
ものは試し、聴いてみないことには始まりません。なんでも、今のところ発売しているのは日本のユニバーサルだけだそうです。ちょうど先月発売になった、マーズ・ヴォルタの新譜「ゴリアテの混乱 初回限定デラックス・エディション」にこれが使われているということなので、安い輸入盤を横目で見ながら買ってきました。
ゴリアテの混乱~デラックス・エディション(DVD付)
マーズ・ヴォルタ
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再生スタート。おお、これはすげえ! 早くも今年のベストアルバム候補だ。音質のほうも、うーん、いい音だ……って、ちょっと待て、これでは比較対象がないじゃないか。元からいい音で録られているのかも知れないし。
ここは「通常のCDと聴き比べ」してみないとわかりません。
というわけで仕方がない、既に持っているCDのSHM-CD版を聴いてみることにしました。少々勿体無い気もしますがどれがいいかなと考えて、選んだのはこれ。
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの三章、他
ポリーニ(マウリツィオ) ブーレーズ ストラヴィンスキー
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はい、ポリーニです。ストラビンスキーのペトルーシュカ、プロコフィエフのピアノソナタ7番(戦争ソナタ)ほか、名盤の誉れ高きディスクですね。ピアノ独奏の方が、ロック系より差が良くわかるかなと思いまして。ちなみに、CDと同じマスターを使っているそうです。既に持ってるものに2,800円を出すのはちょっともったいない気がしますが、何事も勉強勉強。
で、聴いてみました。
うーむむむ?
確かに、同じ音源でありながら何か…違いますよ。なんか音に奥行きが増しているというか、まったりとしてそれでいてしつこくなく…じゃなかった、従来自分のスピーカーではちょっとピアノの音にペラペラ感があって少し残念だったのが払拭されているというか。なんか、あんまりいろんな形容をするとオーディオ雑誌の怪しげな記事みたいになってしまいますが。うん、これはブラインドテストしても聴き分けられるほどの音の違いが、ある、んじゃないかなあ(急に自信がなくなる)。
(追記)オーディオ評論家の麻倉怜士氏が、「オーディオの作法」(ソフトバンク新書)で「この盤はCDとSHM-CDの違いを味わうのに適している。激しさと静けさを同時に再現しなければならないこの曲は、CDでは物足りなかった」云々と書かれています。それだけの差があるかどうか、はご自分でお確かめください。(追記おわり)
通常盤とSHM-CD盤(上がSHM-CD)。真ん中にあるのは「SHMってのはこんなに凄いんだぜえ」ということを主張している宣伝兼カタログのブックレット。これが入っているおかげで、SHM-CDのパッケージは少し分厚い。CDの盤面は、刻印がなければどっちがどっちか見分けがつきません。
ちなみに通常盤は1,800円なので、1,000円も高いです! この千円の値打ちがあるのかというと、……? それは聴く人次第でしょう。CDというフォーマット自体が先行き不安なこの時代に勇気ある製品だと思います。
なお、なぜ音が良くなるのかの理屈は、SHM-CDのページにいろいろ書いてありますが、実際のところは「よくわからない」のが本当のところらしいです。「いろいろ試してみたら音質が向上した。原因不明」…となるとオカルトめいた話になりますが、まあそれは足の速いサラブレッドを作るための配合理論のようなもので、結果が出ればそれでいいのかも知れません。でも、基本デジタルな世界で「なんで?」という疑問はあります。
あと、iPodなどで聴くために圧縮フォーマットに変換してしまうと、ほとんど意味がないでしょうね。
というか、本当にいい音になるんだったら、限定盤や特別盤だけと言わず通常盤も全部これで作ればいいんじゃないでしょうか。価格はもう少し抑えて。
というわけで、あまり「聴き比べ」して首をひねってばかりいるのも音楽好きとして正しい態度ではないと思うので、とりあえずSHM-CD盤だけ持ってるマーズ・ヴォルタ聴きますね。うおっ、まじエエわこれ。
(参考)リスニングに使用したオーディオは KENWOOD の初代 K's。10年以上前のシステムですが、今もなかなかいい音を出してくれます。アンプはもちろんアナログです。あと、CDプレイヤーのピックアップは設計が古く、CD-Rをかけると時々針飛びさせます。…先にこっちを買い換えるべきでしょうか。
追記
今の私の考えです。(そんな大層なものではないですが)
で結局、SHM-CDってどうなのと訊かれたら
さらに追記
ユニバーサルさんが、「そんなに疑問あるんだったら聴き比べてみろよ」とばかりに、サンプラー盤を出すそうです。どちらも同じ曲を収録したCDとSHM-CDの2枚組。ロック中心、全17曲(×2)のリストを見て「なんだ懐メロばっかりじゃん」とか言わない。昔の曲の方が、音質の向上(とやら)を確認するには適している、と考えているのでしょう。値段も1,000円と手頃です。
これがSHM-CDだ!ロックで聴き比べる体験サンプラー
オムニバス
USMジャパン 2008-05-28
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さらに追記
なんかさらにサンプラーCDが増えるようです。ロックの次はジャズとクラシック。SHM-CDの音質によほど自信がある…のかどうかは知りませんが、自分の再生装置で手軽に聴き比べられるのはいいことだと思います。
これがSHM-CDだ!ジャズで聴き比べる体験サンプラー
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これがSHM-CDだ!クラシックで聴き比べる体験サンプラー
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これがSHM-CDだ!2 ロック/ソウル/ブルースで聴き比べるサンプラー
オムニバス
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"DON'T THINK, FEEL!" なんてジャケットに書いてあるあたりが、なにやら示唆的ですな。本音は "Don't say anything before you try it" ってあたりかも。
もひとつ追加
参考: CDJournal.comより。「100人が聴いて100人全員がわかるかというと、それほどのものではない」など結構本音が出ている良記事です。
CDJournal.com - リサーチ - ライセンス・トゥ・イル番外篇 その2 博士のSHM-CDチェック『謎の円盤SHM-CD』の巻 (2008/01)
★ ついでに聞きたいんぢゃが、結局のところ音が良くなった原因は何なのかえ?
▼ それが、よくわかってないんです。説明おわり。
★ ……見損なったぞ助手くん。そんな物言いが科学万能の21世紀に通用すると思うてか!
▼ SHM-CDを作り出した日本ビクターの人も「わからない」って言ってるからお手上げです。紙資料にはもっともらしく“透明度が上がったため複屈折が……”なんて書いてありますが、それで全面的に納得できるかといえば難アリですよ。同じマスターから作ってもSHM-CDは普通のCDより音量が大きくなるとか、現在の科学では説明がつきません。
★ うーむ、不思議ぢゃ。オカルトが大嫌いな理系の人たちが真実を解明してくれんかのう。
▼ 何が原因だろうと、音が違うのは事実ですからね。音の世界は深いってことです。






17曲のうち少々はLPも旧盤CDも持っていたので沢山の聴き比べが出来て幸せ。
このペアの現行CDは細工がしてあると思うのですがいかがでしょうか?
立ち上がりの鈍い圧縮感のあるCDというのがとりあえずの感想です。
SHMの方は立ち上がりが良く情報量が多いのですが、旧盤にもこの位のものは結構ありませんか?
さて評価ですが、ささやかな小生のシステムでは旧譜やLPの勝ちもあり、近々知己の力を借りて再度確認して報告します。
でもリマスター、紙ジャケ、K2CD…売る側にとっては何度も美味しくて羨ましい限り。しかも今回は「限定」。
当面中古で並んだら考えることにして、それまでは売ってしまったLPの再発をこつこつと仕入れることにします。
それでも値段が高いのは詐欺としか言いようがない
古い音源なら、気合を入れてリマスターするとか
音質を向上させる手段をまじめに考えるべきです
「素材が違うから読み取り時のエラーが起きにくい」?
エラーが起こるくらいのCDプレイヤーなら買い換えるべきでしょう
SHM-CDという規格(というか規格以下の問題だが)を採用する会社はこれ以上は増えません
まず海外では出てこないでしょう
断言します。
+1000円がプレミアム価格として妥当かどうかというあたりで「詐欺」というきつい言葉をお使いのことと思います。従来のCDも従来の価格で売ってくれるならば、購入する側としてはどちらか選べていいのではないでしょうか。
この手の人はMP3でもCDでも同じでしょうし
私もSHM−CDは本当に音がよいのか?,と思っていましたので,聴き比べをした結果をHPに書き込みました。
http://homepage1.nifty.com/classicalcd/special/shm-cd/index.htm
今日現在で,聴き比べは1つだけですが,聴き比べた結果は
1.SHM−CDだとはっきりと音が変わる。
2.ただし音の基本的なクオリティが向上しているわけではなく,音のキャラクターが変わっているだけ。
3.どちらがよいかは各人の好みではないか。
4.いずれにせよ,輸入盤CDで聴けばもっと良い音で聴ける。
5.SACDのハイクオリティの音には全く太刀打ちできない。
といったところでした。SHM−CDの音質に関しては各方面で絶賛されていますが,自分の耳でしっかり聴いて判断する必要がありそうです。
ちゃんとバイナリが一致するか試してくださいね>糞ブログ
(ここの解析情報とタレコミを信じるなら)
SHM-CDは、通常の材質用に設計されたピックアップとは相性が悪いのでデータにノイズが入る。つまり音が変わる。
それを「良い音になった」と聞く側が感じるようです。
まあ良く言えばアナログレコードみたいに音に不確定要素が持ち込まれてるんですね。
逆に悪く言えば(略)